2018年08月10日

2018年 第31週(7月30日~8月5日)

定点把握感染症

~ヘルパンギーナ ~
定点あたり患者数は今週 2.70 人(先週 2.35 人)と 増加しました。
地域的には、洲本保健所管内で、定 点あたり患者数が警報レベル開始基準値である 6 人 以上となっています。 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告され た患者 1,191 人の年齢分布では、 1歳27%、 2歳22%、 3歳15%の順で、 0~4歳が全体の85%を占めています。
コクサッキーウイルス等を主要な原因とする夏型 の感染症で、流行し始めると乳幼児の間で急速に患 者数が増加する傾向があります。
特異的な予防方法は ありませんが、患者との濃厚接触を避けること、手洗 いの励行、洗濯物の日光消毒などがあげられます

全数把握感染症

~腸管出血性大腸菌感染症~
今週 14 人の報告があり、今年の累積患者数は 74 人となりました。
性別分布は、男性 31 人、女性 43 人、年齢分布は、20 歳代 24 人、10 歳代 13 人、40 歳代 12 人、 10 歳未満 11 人の順に多くなっています。
O 血清群別は、O157 が 55 人、O26 が 6 人、O145 が 3 人の順で多く、感染経路として、生焼けのハン バーグ等の肉の喫食が 23 人から報告されています。
夏季の流行期に入っています。肉・レバーなどの食 品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普 段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症を発 症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。

~梅毒~
今週 6 人の報告があり、今年の累積患者数は 150 人となりました。
昨年同時期の患者数 118 人を上回 って増加を続けています。
性別では、男性 111 人、女性 39 人、年齢階級別で は、男女とも 20~30 歳代が多く、全体の 59%を占め ています。
病型別では、早期顕症梅毒のⅠ期が 66 人、Ⅱ期が 45 人、晩期顕症梅毒が 7 人、無症状病原体保有者が 32 人となっています。
感染原因は、性的接触 135 人(異性間 108 人、同性 間 7 人、不明 20 人)、原因不明 15 人で、推定感染地 域は国内が 137 人、国外が3 人、不明が 10 人でした。

~百日咳~
今週 12 人の報告があり、今年の累積患者数は 221 人となりました。
性別分布は、男性 99 人、女性 122 人、年齢分布は 5~9 歳 65 人、10~14 歳 61 人、0~4 歳 31 人の順 で多く、成人 57 人からも報告されています。
推定感染経路として家族内感染が 57 人から、学校 での流行が 43 人から報告されています。
長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼 児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやす いので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種 を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後 に感染することがあります。

【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年8月9日更新)