2018年12月07日

2018年 第48週(11月26日~12月2日)

定点把握感染症

~インフルエンザ ~
 定点あたり患者数は今週 1.19 人(先週 0.46 人)と増加し、流行開始の目安とされる 1 人を超えました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、姫路市、龍野、赤穂、福崎、豊岡、朝来、丹波の 7 保健所管内で定点 あたり患者数が 1 人以上となっています。
 直近の5週間に県内の定点医療機関から報告された患者436人の年齢分布では、 5~9歳34%、 0~4歳17%、 10~14 歳 15%の順で、15 歳未満が全体の 66%を占めています。
 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 3 人(先週 2 人)の報告がありました。 今シーズンの累計は 16 人となり、うち 2 人が人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢 分布は 1~9 歳 5 人、70 歳代 4 人、80 歳以上 3 人の順で多くなっています。
 臨時休業の施設別発生状況では、今週 6 件(先週 3 件)の報告がありました。
内訳は学年閉鎖 1 件、学級 閉鎖 5 件で、阪神南、阪神北、東播磨、中播磨、但馬及び神戸市の小学校から報告されています。
 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 4 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエン ザウイルスを検出しています。
 インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの 着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。

全数把握感染症

~カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 ~
 今週 6 人の報告があり、今年の累積患者数は 74 人 となりました。
その内訳は、男性 40 人、女性 34 人で、 60 歳以上が全体の 89%を占めています。
 菌種別では、 E s c h e r i c h i a c o l i と Enterobacter aerogenes が各 19 件 、 Klebsiella pneumoniae が 14 件 、Enterobacter cloacae が13件の順となっています。
 感染経路別では、以前からの保菌が 24 件、医療器 具関連感染が 11 件、手術部位感染が 11 件報告され ています。
 施設や病院での感染を防ぐために、手洗いの励行 に加えて、ドアノブやベッド柵、水回りの環境など を介しての接触感染を防ぐことが重要になります。

~梅毒 ~
 今週 5 人の報告があり、今年の累積患者数は 238 人となり、昨年の年間患者数 198 人を超えて増え続 けています。
 性別では、男性 168 人、女性 70 人、年齢階級別で は、男女とも 20 歳代が最も多く、男性では 34%、女 性では 43%を占めています。
 病型別では、早期顕症梅毒のⅠ期が 100 人、Ⅱ期 が 79 人、晩期顕症梅毒が 8 人、無症状病原体保有者 が 51 人となっています。
 感染原因は、性的接触 214 人(異性間 174 人、同性 間10 人、不明 30 人)、原因不明 24 人で、推定感染地 域は国内が 215人、国外が 4人、不明が 19 人でした。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年12月6日更新)