2018年12月21日
2018年 第50週(12月10日~12月16日)
定点把握感染症
~インフルエンザ ~
定点あたり患者数は今週 3.81 人(先週 2.03 人)と増加しました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、 尼崎市、加古川、洲本の 3 保健所管内を除く 14 保健所管内で、定点あたり患者数が流行開始の目安とされ る 1 人を超えています。
このうち、福崎保健所管内では警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 30 人) に達し、豊岡保健所管内では注意報レベル基準値(定点あたり患者数 10 人)以上となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 1,546 人の年齢分布では、5~9 歳 38%、0~4 歳 19%、10~14 歳 17%の順で、15 歳未満が全体の 74%を占めています。
インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 13 人(先週 5 人)の報告がありまし た。
今シーズンの累計は 34 人となり、うち 5 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用してい ます。
患者の年齢分布は 1~9 歳と 70 歳代が各 9 人、80 歳以上が 7 人の順で多くなっています。
臨時休業の施設別発生状況では、今週 22 件(先週 14 件)の報告がありました。
内訳は休校 1 件、学年閉鎖 3 件、学級閉鎖 18 件、施設別では、幼稚園 2 件、小学校 17 件、中学校 2 件、その他 1 件で、阪神南、阪神北、東播磨、中播磨、西播磨、但馬及び神戸市から報告されています。
当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 6 件、AH3 亜型(A 香港型)9 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。また、感染が疑われる場合は、マスクの 着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。
全数把握感染症
~百日咳 ~
今週、15 人の報告があり、今年の累積患者数は 532 人となりました。
性別分布は、男性 247 人、女性 285 人、年齢分布 は 5~9 歳が 31%、10~14 歳が 21%、0 歳 8%の順で 多く、成人も 31%を占めています。
推定感染経路として家族内感染が 142 人から、学校・施設での流行が 92 人から報告されています。
長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。
【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年12月20日更新)