2018年12月14日

2018年 第49週(12月3日~12月9日)

定点把握感染症

~インフルエンザ ~
 定点あたり患者数は今週 2.03 人(先週 1.19 人)と増加しました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、神戸市、西宮市、芦屋、伊丹、宝塚の 5 保健所管内で、今週新たに流行開始の目安とされる定点あたり患者数 1 人を超えました。
また、先週までに流行開始となった姫路市、龍野、赤穂、福崎、豊岡、朝来、丹波の7 保健所管内中、福崎及び豊岡保健所管内で注意報レベル(定点あたり患者数 10 人以上)となりました。
 直近の5週間に県内の定点医療機関から報告された患者 827人の年齢分布では、5~9歳37%、0~4歳17%、10~14 歳 15%の順で、15 歳未満が全体の 68%を占めています。
 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 5 人(先週 3 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 21 人となり、うち 2 人が人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。患者の年齢分布は 1~9 歳、70 歳代、80 歳以上が各 5 人と多くなっています。
 臨時休業の施設別発生状況では、今週 14 件(先週 6 件)の報告がありました。
内訳は休校 1 件、学年閉鎖 3 件、学級閉鎖 10 件、施設別では、幼稚園 1 件、小学校 13 件で、阪神南、阪神北、東播磨、中播磨、但馬及び神戸市から報告されています。
 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 4 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
 インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。

全数把握感染症

~侵襲性肺炎球菌感染症 ~
 今週 8 人の報告があり、今年の累積患者数は、昨年の年間患者数 188 人を超えて 218 人となっています。
 性別分布は、男性 133 人、女性 85 人、年齢分布は70 歳代 24%、60 歳代 19%、10 歳未満 17%、80 歳代15%の順で多くなっています。
 この疾病は、冬から初夏にかけて、患者数が増加する傾向があります。鼻やのどに常在する肺炎球菌が、血液や髄液に移行して、敗血症や髄膜炎を起こすことが知られており、重症化しやすい小児及び高齢者を対象として、定期予防接種が行われています。
 今年の患者のうち、ワクチン接種歴有りが 64 人、接種歴無しが 98 人、不明 56 人となっています。

~百日咳 ~
 今週 18 人の報告があり、今年の累積患者数は 516人となりました。
 性別分布は、男性 242 人、女性 274 人、年齢分布は5~9 歳が 31%、10~14 歳が 21%、0 歳 8%の順で多く、成人も 31%を占めています。
 推定感染経路として家族内感染が137人から、学校・施設での流行が 85 人から報告されています。
 長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年12月13日更新)