2018年08月03日

2018年 第30週(7月23日~7月29日)

定点把握感染症

~手足口病 ~
定点あたり患者数は今週 1.58 人(先週 1.19 人)と増加しました。
地域的には、宝塚及び丹波保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル開始基準値である 5 人以上となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 686 人の年齢分布では、1 歳 26%、2 歳 24%、3歳15%の順で、0~4歳が全体の83%を占めていま。
主要な原因ウイルスはエンテロウイルスで、年により、流行する型に変動が見られます。
感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染などです。
保育園や幼稚園などの乳幼児施設では、手洗いの励行と排泄物の適正処理が感染予防の基本です。

~ヘルパンギーナ ~
定点あたり患者数は今週 2.35 人(先週 1.67 人)と増加しました。
地域的には、洲本保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル開始基準値である 6 人となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 907 人の年齢分布では、1 歳 28%、2 歳 22%、3 歳 15%の順で、0~4 歳が全体の85%を占めています。
エンテロウイルスを原因とする夏型の感染症で、流行し始めると乳幼児の間で急速に患者数が増加する傾向があります。
特異的な予防方法はありませんが、患者との濃厚接触を避けること、手洗いの励行、洗濯物の日光消毒などがあげられます。

全数把握感染症

~腸管出血性大腸菌感染症~
今週 9 人の報告があり、今年の累積患者数は 60 人となりました。
性別分布は、男性 24 人、女性 36 人、年齢分布は、20 歳代 20 人、10 歳代 11 人、10 歳未満と 40 歳代各 9 人の順に多くなっています。
O 血清群別は、O157 が 43 人、O26 が 5 人、O145が 3 人の順で多く、感染経路として、肉の喫食が 17人から報告されています。
夏季の流行期に入っています。
肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。

~百日咳~
今週 23 人の報告があり、今年の累積患者数は 206人となりました。
性別分布は、男性 94 人、女性 112 人、年齢分布は5~9 歳 62 人、10~14 歳 56 人、0~4 歳 29 人の順で多く、成人 52 人からも報告されています。
推定感染経路として家族内感染が 52 人から、学校での流行が 42 人から報告されています。
長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。

【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年8月2日更新)