2018年12月28日
2018年 第51週(12月17日~12月23日)
定点把握感染症
~インフルエンザ~
定点あたり患者数は今週 7.11 人(先週 3.82 人)と増加しました。
地域的には、県下 17 保健所管内すべてで、定点あたり患者数が流行開始の目安とされる 1 人を超えています。
このうち、福崎保健所管内では警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 30 人)以上、姫路市、宝塚、龍野、赤穂及び豊岡保健所管内では注意報レベル基準値(定点あたり患者数 10 人)以上となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 2,907 人の年齢分布では、5~9 歳 36%、0~4 歳18%、10~14 歳 17%の順で、15 歳未満が全体の 72%を占めています。
インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 23 人(先週 13 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 57 人となり、うち 10 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢分布は 1~9 歳が 18 人、70 歳代と 80 歳以上が各 11 人の順で多くなっています。
臨時休業の施設別発生状況では、今週 45 件(先週 22 件)の報告がありました。
内訳は学年閉鎖 5 件、学級閉鎖 40 件、施設別では、幼稚園 2 件、小学校 38 件、中学校 4 件、その他 1 件で、阪神南、阪神北、東播磨、中播磨、西播磨、但馬、淡路及び神戸市から報告されています。
当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 4 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。
全数把握感染症
~カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 ~
今週4人の報告があり、今年の累積患者数は過去最高の 80 人となりました。
性別では、男性 44 人、女性 36 人で、年齢階級別では、60 歳以上が全体の 90%を占めています。
菌種別では、Enterobacter aerogenes が 22 件、Escherichia coli が 20 件、Klebsiella pneumoniae が 15件、Enterobacter cloacae が 14 件の順となっています。
感染経路別では、以前からの保菌が 27 件、医療器具関連感染が 13 件、手術部位感染が 12 件報告されています。
施設や病院での感染を防ぐために、手洗いの励行に加えて、ドアノブやベッド柵、水回りの環境などを介しての接触感染を防ぐことが重要になります。
~梅毒~
今週 10 人の報告があり、今年の累積患者数は 260人となり、昨年の年間患者数 198 人の 1.3 倍に達しています。
性別では、男性 183 人、女性 77 人、年齢階級別では、男女とも 20 歳代が最も多く、男性では 32%、女性では 44%を占めています。
病型別では、早期顕症梅毒のⅠ期が 110 人、Ⅱ期が 86 人、晩期顕症梅毒が 10 人、無症状病原体保有者が 54 人となっています。
感染原因は、性的接触 234 人(異性間 191 人、同性間 12 人、不明 31 人)、原因不明 26 人で、推定感染地域は国内が 231 人、国外が 5 人、不明が 24 人でした。
【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年12月27日更新)