2019年08月16日

2019年 第32週(8月5日~8月11日)

定点把握感染症

~RS ウイルス感染症 ~
 定点あたり患者数は今週 1.30 人(先週 1.13 人)と 増加しました。
地域的には、加古川保健所管内で、 定点当たり患者数が 7.0 人となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 501 人の年齢分布では、1 歳 38%、0 歳 29%、 2 歳 18%の順で、0~3 歳が全体の 95%を占めています。
 RS ウイルスを病原体とする呼吸器感染症で、2 歳 までにほぼ全員が感染しますが、その後も感染を繰り返します。
乳幼児の肺炎及び気管支炎の重要な原因となっていて、特に心肺等に基礎疾患があると重症化しやすいといわれています。
手洗いやうがいを徹底し、乳幼児が呼吸器症状を示した場合は早めに医療機関を受診することが重要です。


~手足口病~
 定点あたり患者数は今週 5.53 人(先週 8.71 人)と 減少しました。
地域的には、県内 17 保健所管内中、 神戸市、西宮市、芦屋、伊丹、宝塚、朝来、丹波、 洲本を除く 9 保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル開始基準値である5人以上となっています。
 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 7,068 人の年齢分布では、 1 歳 27%、 2 歳 21%、 3歳15%の順で、 0~4歳が全体の84%を占めています。
 主要な原因ウイルスはエンテロウイルスで、年により、流行する型に変動が見られますが、当研究所で今年検査をした県内の患者からは、主としてコク サッキーウイルス A6 型が検出されています。
 感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染などです。
保育園や幼稚園などの乳幼児施設では、手洗いの励行と排泄物の適正処理が感染予防の基本です。

全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)

~百日咳 ~
 今週、14 人の報告があり、今年の累積患者数は 494 人となり、昨年同時期の 2.1 倍となっています。
 性別分布は、男性 207 人、女性 287 人、年齢分布は 5~9 歳が 40%、10~14 歳が 27%、1~4 歳が 6%、 0 歳が 5%の順で多く、成人も 19%を占めています。
 推定感染経路として家族内感染が 110 人から、学校 での流行が 78 人から報告されています。
 長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやす いので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種 を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年8月15日更新)