2018年06月08日
2018年 第22週(5月28日~6月3日)
定点把握感染症
~感染性胃腸炎~
定点あたり患者数は、今週 8.58 人(先週 8.29 人)と増加しました。地域的には、朝来保健所管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 20 人)以上の23.5 人となり、集団発生が1件報告されています。直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 4,815 人の年齢分布では、5 歳以下が全体の61%を占めています。
感染性胃腸炎はノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルスなど多種多様な病原体による症候群です。ウイルスは患者の大便や吐物中に大量に含まれており、強い感染力を持っています。感染を拡大させないためには、手洗いの励行を基本に、吐物などの後始末を素手で行わない、二枚貝類は十分に加熱して食べるなどの注意が重要です。
~流行性角結膜炎~
定点あたり患者数は今週 1.00 人(先週 0.54 人)と増加しました。地域的には、伊丹及び宝塚保健所管内で定点あたり患者数が 4 人となっています。
直近の 5 週間に県内の眼科定点医療機関(35 ヶ所)から報告された患者 163 人の年齢分布では、0~9 歳25%、30~39 歳 20%、40~49 歳 17%の順で多く、小児を中心に、幅広い年齢層で感染が見られます。
アデノウイルスによる疾患で、急に発症し、目やにや涙目、まぶたの腫れを伴います。職場、病院、家庭などの人が濃密に接触する場所では、涙や目やにがついた指やタオルからの接触感染に注意が必要です。
感染を予防するためには、眼分泌物に直接手で触れないこと、手洗いを励行すること、洗面器やタオルの共有を避けることなどが大切です。
全数把握感染症
~百日咳~
今週 8 人の報告があり、今年の累積患者数は 105人となりました。性別分布は、男性 41 人、女性 64 人、年齢分布は 5~9 歳 31 人、10~14 歳 28 人、0~4 歳 16 人の順で多く、成人 27 人からも報告されています。
推定感染経路として家族内感染が 29 人から、学校での流行が 22 人から報告されています。長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。
【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年6月7日更新)