2019年08月09日

2019年 第31週(7月29日~8月4日)

定点把握感染症

~手足口病~
 定点あたり患者数は今週 8.71 人(先週 10.68 人) と減少しました。
地域的には、県内 17 保健所管内中、 芦屋、豊岡、朝来、丹波を除く 13 保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル開始基準値である 5 人 以上となっています。
 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 8,369 人の年齢分布では、 1 歳 28%、 2 歳 22%、 3歳15%の順で、 0~4歳が全体の85%を占めています。
 主要な原因ウイルスはエンテロウイルスで、年により、流行する型に変動が見られますが、当研究所で今年検査をした県内の患者からは、主としてコクサッキーウイルス A6 型が検出されています。
 感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染などです。保育園や幼稚園などの乳幼児施設では、手洗いの励行と排泄物の適正処理が感染予防の基本です。

~RS ウイルス感染症 ~
 定点あたり患者数は今週 1.13 人(先週 0.81 人)と 増加しました。
地域的には、加古川保健所管内で、 定点当たり患者数が 6.0 人となっています。
 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 377 人の年齢分布では、1 歳 37%、0 歳 27%、 2 歳 19%の順で、0~3 歳が全体の 94%を占めています。
 RS ウイルスを病原体とする呼吸器感染症で、2 歳 までにほぼ全員が感染しますが、その後も感染を繰り返します。
乳幼児の肺炎及び気管支炎の重要な原因となっていて、特に心肺等に基礎疾患があると重症化しやすいといわれています。
手洗いやうがい 徹底し、乳幼児が呼吸器症状を示した場合は早めに 医療機関を受診することが重要です。

全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)

~腸管出血性大腸菌感染症~
 今週 10 人の報告があり、今年の累積患者数は 70 人となりました。
性別分布は、男性 32 人、女性 38 人、年齢分布は、10 歳未満が 16 人、10 歳代が 15 人、 20 歳代が 14 人の順に多くなっています。
 O 血清群別は、O157 が 44 人、O26 が 9 人、 O121 が 4 人 、O111 が 3 人、 O146 が 2 人、O18、O103、 O145 が各 1 人となり、感染経路として、肉の喫食が 24 人から報告されています。
 夏季の流行期に入っています。
肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。

【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年8月8日更新)