2019年01月09日
2018年 第52週(12月24日~12月30日)
定点把握感染症
~インフルエンザ~
定点あたり患者数は今週 9.68 人(先週 7.11 人)と増加しました。地域的には、県下 17 保健所管内中、姫路市、伊丹、宝塚、龍野、赤穂、福崎、豊岡及び朝来の 8 保健所管内で注意報レベル基準値(定点あたり患者数 10 人)以上となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 4,721 人の年齢分布では、5~9 歳 32%、0~4 歳18%、10~14 歳 17%の順で、15 歳未満が全体の 67%を占めています。
インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 39 人(先週 23 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 96 人となり、うち 18 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢分布は 1~9 歳 28 人、70 歳代 16 人、80 歳以上 15 人の順で多くなっています。
当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 19 件、AH3 亜型(A 香港型)12 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。
全数把握感染症
~侵襲性肺炎球菌感染症~
今週 6 人の報告があり、今年の累積患者数は 230人となりました。
性別分布は、男性 141 人、女性 89 人、年齢分布は70 歳代 25%、60 歳代 20%、10 歳未満 17%、80 歳代 15%の順で多くなっています。
この疾病は、冬から初夏にかけて、患者数が増加する傾向があります。
鼻やのどに常在する肺炎球菌が、血液や髄液に移行して、敗血症や髄膜炎を起こすことが知られており、重症化しやすい小児及び高齢者を対象として、定期予防接種が行われています。
今年の患者のうち、ワクチン接種歴有りが 65 人、接種歴無しが 104 人、不明 61 人となっています
~百日咳~
今週、10 人の報告があり、今年の累積患者数は 560人となりました。
性別分布は、男性 259 人、女性 301 人、年齢分布は 5~9 歳が 31%、10~14 歳が 21%、0 歳 8%の順で多く、成人も 31%を占めています。
推定感染経路として家族内感染が 149 人から、学校・施設での流行が 95 人から報告されています。
長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。
【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年1月8日更新)