2018年11月09日
2018年 第44週(10月29日~11月4日)
定点把握感染症
~感染性胃腸炎 ~
定点あたり患者数は、今週 4.16 人(先週 4.05 人)と増加しました。
地域的には、福崎保健所管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 20 人)以上となっています。
施設・学校における集団発生は、今週 1 件(先週なし)報告されています。
感染性胃腸炎はノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルスなど多種多様な原因による症候群です。
ウイルスは患者の便や吐物中に大量に含まれており、強い感染力を持っています。
感染を拡大させないためには、手洗いの励行を基本に、吐物などの後始末を素手で行わない、二枚貝類は十分に加熱して食べるなどの注意が重要です。
全数把握感染症
~腸管出血性大腸菌感染症~
今週、保育園及び家族の接触者検診で見つかった 6人を含む 8 人の報告があり、今年の累積患者数は 125人となりました。
性別分布は、男性 53 人、女性 72 人、年齢分布は、20 歳代 31 人、10 歳未満 27 人、40 歳代 23 人、10歳代 20 人の順に多くなっています。
O 血清群別は、O157 が 95 人、O121 が 10 人、O26が 8 人の順で多く、感染経路として、肉の喫食が 40人から、接触感染が 26 人から報告されています。
肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。
~百日咳~
今週 22 人の報告があり、今年の累積患者数は 427人となりました。
性別分布は、男性 197 人、女性 230 人、年齢分布は 5~9 歳が 32%、10~14 歳が 22%、0 歳 9%の順で多く、成人も 28%を占めています。
推定感染経路として家族内感染が 118 人から、学校での流行が 63 人から報告されています。
長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。
【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2018年11月8日更新)