2019年11月21日

2019年 第46週(11月11日~11月17日)

定点把握感染症

~インフルエンザ~
 定点あたり患者数は今週 0.42 人(先週 0.25 人)と増加しました。
地域的には、姫路市で定点あたり患者数が流行開始の目安となる 1 人以上となっています。
直近 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 245 人の年齢分布では、5~9 歳が 33%、0~4 歳が17%の順で多く、15 歳未満が 63%を占めています。
臨時休業の施設別発生状況では、今週、小学校及び中学校から各 1 件の学級閉鎖の報告がありました。
当研究所では今シーズン、県内の患者からAH1pdm09 6 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。

~咽頭結膜熱~
 定点あたり患者数は今週 0.81 人(先週 0.67 人)と増加しました。
地域的には、豊岡保健所管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 3 人)以上となっています。
直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 384 人の年齢分布では、1 歳 21%、2 歳 17%、3 歳 16%の順で、0~4歳が全体の74%を占めています。
アデノウイルスを原因とする感染症で、プール熱とも呼ばれ、夏季に流行することが多いですが、年間を通じて発生しています。
感染経路は通常患者からの飛沫感染ですが、経結膜や経口的な感染もあります。
感染を予防するためには、感染者との濃密な接触を避けること、流行時はうがい・手指の消毒を励行すること、タオルの共用を避けることなどが大切です。


全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)

~腸管出血性大腸菌感染症~
 今週 7 人の報告があり、今年の累積患者数は 141 人となり、過去 5 年間で最大であった昨年の年間患者数133 人を上回りました。
性別分布は、男性 68 人、女性 73 人、年齢分布は、10 歳未満が 36 人、10 歳代が29 人、20 歳代が 24 人の順に多くなっています。
O 血清群別は、O157 が 95 人、O145 が 15 人、O26が 10 人の順となり、感染経路として、肉の喫食が 38人から報告されています。
肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。

【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年11月21日更新)