2020年03月06日

2020年第9週(2月24日~3月1日)

定点把握感染症

 ~インフルエンザ~
 定点あたり患者数は今週 6.77 人(先週 8.31 人)と減少しました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、尼崎市、伊丹の 2 保健所管内で、注意報レベル(定点あたり患者数 10 人以上)が継続しており、しばらくは注意が必要です。
 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 10,125 人の年齢分布では、5~9 歳 42%、10~14歳 24%、0~4 歳 16%の順で、15 歳未満が全体の 82%を占めています。
 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 8 人(先週 10 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 591 人となり、うち 91 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢分布は 1~9 歳 41%、80 歳以上 17%、70 歳代 13%の順で多くなっています。
また、インフルエンザウイルス A 型を原因とする急性脳炎が今シーズン 5 件報告されています。
 臨時休業の施設別発生状況では、今週 130 件(先週 118 件)の報告がありました。
内訳は休校 2 件、学年閉鎖 11 件、学級閉鎖 117 件で、施設別では、幼稚園 8 件、小学校 110 件、中学校 12 件で、芦屋、龍野、赤穂、福崎及び朝来を除く 11 保健所管内から報告されています。
県内の社会福祉施設から今週 1 件(先週なし)の集団発生の報告がありました。
 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 126 件、AH3 亜型(A 香港型)5 件、B 型(Victoria系統)9 件のインフルエンザウイルスを検出しています。
 インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。


全数把握感染症

 ~百日咳~
 今週、6 人の報告があり、今年の累積患者数は 68人となりました。
性別分布は、男性 31 人、女性 37人、年齢分布は 5~9 歳が 54%、10~14 歳が 16%の順で多く、成人も 9%を占めています。
 推定感染経路として家族内感染が 3 人から、学校での流行が 4 人から報告されています。
 長期間続く咳が特徴ですが、ワクチン未接種の乳幼児が感染すると、嘔吐や無呼吸を伴い、重篤化しやすいので注意が必要です。
また、乳児期にワクチン接種を受けていても、終生免疫は得られないので、成長後に感染することがあります。

〈お知らせ〉
兵庫県内でも、新型コロナウイルス感染症の患者が報告されています。
手洗いや咳エチケットを徹底し、発熱等の風邪症状がみられる場合は、外出を自粛してください。
兵庫県立健康科学研究所 感染症部のホ-ムペ-ジ >>詳細はこちら から、新型コロナウイルスに関する厚生労働省、国立感染症研究所、兵庫県疾病対策課の情報にリンクしています。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2020年3月5日更新)