2019年12月20日

2019年 第50週(12月9日~12月15日)

定点把握感染症

~インフルエンザ~
 定点あたり患者数は今週 10.09 人(先週 4.75 人)と増加し、注意報レベル基準値(定点あたり患者数 10 人) を超えました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、福崎保健所管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患 者数 30 人)を超え、姫路市、芦屋、加古川、加東、豊岡及び朝来の 6 保健所管内で注意報レベル以上となっ ています。
残りの 10 保健所管内でも、定点あり患者数が流行開始の目安とされる1人以上となっています。
 直近の 5 週間に県内の定点医療機関から報告された患者 3,987 人の年齢分布では、5~9 歳 37%、0~4 歳と 10~14 歳が各 21%の順で、15 歳未満が全体の 79%を占めています。
 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 36 人(先週 10 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 59 人となり、うち 9 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢分布は 1~9 歳 34 人、10~19 歳 7 人、80 歳以上 6 人の順で多くなっています。
 臨時休業の施設別発生状況では、今週 87 件(先週 43 件)の報告がありました。内訳は休校 1 件、学年閉 鎖 14 件、学級閉鎖 72 件で、施設別では、小学校 73 件、中学校 8 件、幼稚園 5 件、その他が 1 件で、龍野及 び赤穂を除くすべての保健所管内から報告されています。
このほか、県内の社会福祉施設から今週 5 件(先週 4 件)の集団発生の報告がありました。
 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 30 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエン ザウイルスを検出しています。
 インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。
また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。


全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)

~つつが虫病 ~
 今週 6 人の報告があり、今年の累積患者数は 8 人となりました。
地域的には、神戸市 4 人、姫路市 2 人、 福崎及び洲本保健所管内各 1 人となっています。
 性別では、男性 6 人、女性 2 人、年齢階級別では、 70 歳代 4 人、80 歳代 2 人、20 歳代及び 60 歳代が各 1 人となっています。
 病原体である Orientia tsutsugamushi を保有する ツツガムシ(ダニ類)の刺咬により感染するため、活動が活発となる春や秋のハイキングや山作業には忌 避剤を使用し、入浴や着替えによって、ツツガムシの付着を防ぎます。
また、山野へ入った 5~14 日後に発 熱や発疹が出た時は、受診時にその時の行動地域を伝えることが重要です。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年12月19日更新)