2019年12月06日

2019年 第48週(11月25日~12月1日)

定点把握感染症

~インフルエンザ~
 定点あたり患者数は今週 3.20 人(先週 1.57 人)と増加しました。
地域的には、県下 17 保健所管内中、龍野、 洲本の 2 保健所管内を除く 15 保健所管内で、定点あたり患者数が流行開始の目安とされる 1 人を超えています。
 このうち、加東保健所管内では注意報レベル基準値(定点あたり患者数 10 人)以上となっています。
直近の5週間に県内の定点医療機関から報告された患者1,130人の年齢分布では、 5~9歳37%、 0~4歳21%、 10~14 歳が 16%の順で、15 歳未満が全体の 74%を占めています。
 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは、今週 7 人(先週 3 人)の報告がありました。
今シーズンの累計は 28 人となり、うち 6 人が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。
患者の年齢分布は 1~9 歳 19 人、10~19 歳 5 人、80 歳以上 2 人の順で多くなっています。
 臨時休業の施設別発生状況では、今週 24 件(先週 10 件)の報告がありました。
内訳は学年閉鎖 2 件、学級 閉鎖 22 件で、施設別では、小学校 18 件、幼稚園 4 件、中学校 2 件で、神戸市、尼崎市、西宮市、明石市、伊 丹、宝塚、加東、龍野及び豊岡から報告されています。
 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH1pdm09 15 件、AH3 亜型(A 香港型)3 件のインフルエンザ ウイルスを検出しています。
 インフルエンザの予防には、ワクチン接種、手洗いが有効です。また、感染が疑われる場合は、マスクの着用、咳エチケット、早めの受診が重要です。


全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)

~腸管出血性大腸菌感染症~
 今週 5 人の報告があり、今年の累積患者数は 149 人となり、過去 5 年間で最も多くなっています。
性別分布は、男性 71 人、女性 78 人、年齢分布は、 10 歳未満が 39 人、10 歳代が 29 人、20 歳代が 26 人 の順に多くなっています。
 O 血清群別は、O157 が 99 人、 O145 が 15 人、 O26 が 14 人の順となり、感染経路として、肉の喫食 が 39 人から報告されています。
 肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、 箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。
溶血性尿毒症症候群(HUS)等の 重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。


【兵庫県感染症情報センターより参照】
(2019年12月5日更新)